top of page

接触皮膚炎(かぶれ)

原因物質に触れることで引き起こされる皮膚炎です。刺激性とアレルギー性(大部分を占める)の2つに大きく分けることができます。前者は原因物質による皮膚細胞への直接な毒性で生じるのに対して、後者は原因物質への免疫反応で生じます。接触皮膚炎の中では、接触蕁麻疹(接触部位にじんま疹が生じる)、光接触皮膚炎(接触プラス紫外線(日光)を浴びることで生じる)、全身性接触皮膚炎(原因物質を吸い込んだり、飲み込んだりすることで全身に皮膚炎が生じる)など特殊なタイプのものもあります。

主な原因物質

①刺激性接触皮膚炎

​食物(ニンニク、パイナップル、キウイ、アロエ、サトイモ、モモ)、界面活性剤(洗剤)、農薬、酸・アルカリなど

②アレルギー性接触皮膚炎

ゴム製品(加硫促進剤、接着剤、ラテックス)、金属(アクセサリー、歯のつめ物)、食物・植物(マンゴー、ギンナン、キク)、染毛料、香料(アロマオイル、化粧品、お香)、殺菌剤・防腐剤(医薬品、化粧品、衣類などさまざまな製品)、樹脂・レジン(ネール、接着剤、歯のつめ物)、紫外線吸収剤(日焼け止め)など

 

現在、工業製品の進歩により、原因物質が非常に多様化しています。

当院での診療

・接触皮膚炎でいちばん重要なことは、原因物質の特定です。

検査としては

①問診:お話だけで診断できる場合もあります。

また、皮疹の部位と問診から、ある程度疑わしい製品、原因物質を絞っていきます。

パッチテスト​

 金属パッチテスト

背中の皮膚に製品や試薬(原因物質)を貼って、一定時間後に皮膚炎が生じるかどうかをみる検査で、接触皮膚炎でもっとも有用な検査です。

③成分分析

​原因となる製品がはっきりしているのに原因物質がわからない場合は、専門の研究所に成分分析を依頼することで、原因物質を特定できる可能性があります。これにより、同様な物質を含む製品を予め避けるよう、接触皮膚炎を予防することができます。また、新規の接触皮膚炎原因物質の発見に繋がり、他の患者様の助けになることもあります。

原因物質の特定は、候補となる原因製品、原因物質の数によって、検査に長い期間を要したり、最終的に特定に至らない場合もあります。

・接触皮膚炎の治療

①ステロイド外用

症状に応じた強さのものを選択します。

②ステロイド内服

顔面全体など、症状が激しく、生活に支障をきたす場合、数日内服します。

bottom of page